2013年11月アーカイブ

業務災害

Q.会議用資料を忘れて出社~自宅に戻り、通勤災害?

従業員が、会議用に作成した資料を自宅に置き忘れて出社しました。上司に叱責され自宅に取りに戻りましたが、あわてていたためか、駅の階段で転倒し、足首を骨折してしまいました。この場合、申請すれば、通勤災害として認められるでしょうか?

 

A.業務の性質を有するものとして、業務災害にあたります

労働者災害補償保険法は、通勤について次のように定めています。

・労働者が、就業に関し、

・住居と就業の場所との間等を

・合理的な経路及び方法により往復することをいい、

・業務の性質を有するものを除くものとする。

 

設問は、業務に必要か少なくとも関連のある書類を取りにわざわざ戻ったのですから、通常の帰宅と違い、「業務の性質を有するもの」と言えます。「上司の叱責」を業務命令と捉えることも可能ですが、注意しただけで取りに戻るよう命令したわけではなかったとしても、従業員の行為の業務性は変わりません。したがって、通勤災害ではなく、業務災害にあたります。

 

昼食をとるために戻った場合は?

通勤の「合理的な経路及び方法」は、幅広く認められます。「昼食をとるための帰宅」は合理的でないとは言えませんし、通勤は1日1回、1往復しか認められない、ということもありません。一方、昼食のみが目的であれば、「業務の性質を有するもの」にはあたりません。こうしたことから、「経路及び方法が合理的でなかった」とする事実がない限り、昼食のため住居と就業場所との間を往復する途中の災害は、通勤災害として認められます。 

 

その他どんな場合、通勤災害として認められますか?

通勤の途中において、就業または通勤とは関係ない目的で合理的な経路を外れたり、通勤とは関係ない行為を行ったりした場合も、それらが日常生活上必要な行為等にあたると認められれば、その後の往復途中の災害は通勤災害として認められます。

 

具体的な事例としては、次のようなものがあります。

・日用品の購入のためにお店に寄った後の通勤

・病院又は診療所において診察又は治療を受けた後の通勤

・要介護状態にある親族を介護した後の通勤

・養育する子供を保育等へ送迎した後の通勤

 

ただし、通勤中断中の災害、たとえば日用品の購入に寄った店舗内の災害、病院等の中で起きた災害等は通勤災害と認められないことに注意が必要です。

 

これに対し、次のような事例は、日常生活上必要な行為等にあたらず、その後の往復途中の災害は通勤災害と認められない、とされています。

・映画を観た後の帰り道

・居酒屋等で飲酒をした後の帰り道

・デートのため長時間にわたってベンチで話し込んだ後の帰り道

・長時間にわたって手相、人相等を見てもらった後の帰り道

 

 

通勤災害

Q.就業規則違反のマイカー通勤に労災保険は適用されますか?

当社の就業規則は、通勤手段を公共交通機関に限定するよう定めています。先日、ある社員が、規則に反してマイカーで通勤していたところ、不注意からガードレールにぶつかり頸椎捻挫のケガをしました。

この場合、通勤災害として労災保険の適用を受けることはできますか?

 

A.要件を満たしていれば、労災保険が適用されます

就業規則等、社内の服務規程でマイカー通勤を禁止していることと、労災認定の判断は関係ありません。通勤災害として労災認定されるか否かは、労災保険の適用をうける要件を満たしているかどうかによります。また、病院で労災(通勤災害)申請をしたうえ治療を受けたとしても、最終的に事故が労災(通勤災害)にあたるかの認定は労働基準監督署長が行います。

 

労災(通勤災害)として認定を受ける要件

通勤とは、「労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くもの」(労働者災害補償保険法第7条)とされています。従って、通勤災害として労災給付の対象になる要件は、自宅から会社(出勤)または会社から自宅(帰宅)までの通勤方法が、

1、合理的な経路

2、合理的な方法

を満たしているかどうかで判断されます。

 

通勤方法の制約は?合理的な方法や経路とは?

労働関係法令上、通勤方法に制約はありません。鉄道、バス等の公共交通機関の利用、マイカー、自転車等を通勤のために使用する場合、また徒歩の場合等の交通方法は、一般的に合理的な通勤方法として認められ、当該労働者が平常用いているか否かは判断にかかわらないものとされています。従って、合理的な経路及び方法とは何も一つに限られたものではなく、複数の経路あるいは方法が該当することになるわけです。たとえば、普段は鉄道で通勤している人が、ある日マイカーで通勤したとしても、合理的な通勤方法でない、とは言えません。また、著しく遠回りをしている場合や、長時間の中断をした場合を除き、「合理的な経路」の範囲は幅広く認められます。

 

会社の服務規程違反との関係はどうなるの?

通勤災害の認定を受けたからといって、それはあくまでも労働関係法令上の取扱であり、会社の服務規程違反はまた別の問題ということになります。会社の就業規則等の懲戒事由に該当した場合は、懲戒の種類の応じた措置を受けることになります。また、業務災害のように、療養のための休業期間中とその後30日間は解雇してはならない(労働基準法第19条)との解雇制限は適用されません。

 

 

 

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