2014年12月アーカイブ

改正パートタイム労働法が、平成27年4月1日に施行されます

本年4月に成立、公布された改正パートタイム労働法(以下「同法」と言います。)が、平成27年4月1日から施行されます。

同法が適用される労働者は、一週間の所定労働時間が通常の労働者に比べて短い人です。嘱託、臨時社員、準社員、契約社員など、名称に関わらず、一週間の所定労働時間が通常の労働者(いわゆる正社員)に比べて短ければ、対象となります。反対に、パートと呼ばれていても、所定労働時間が通常の労働者と同じであれば、適用対象外です。

 

主な改正点は、次のとおりです

パートタイム労働者の公正な待遇の確保

① 職務の内容

② 人材活用の仕組み

①、②が正社員と同一なパートタイム労働者については、賃金・教育訓練・福利厚生等の全てにおいて、正社員との待遇の差別的取扱いが禁止されます。(同法第9条)

2.パートタイム労働者の納得性を高めるための措置

(1)パートタイム労働者を雇い入れたときは、次のことを説明

することが義務づけられました。(同法第14条第1項)

  ① 賃金制度

② 教育訓練の内容

③ 利用できる福利厚生施設

④ 正社員転換推進措置の内容

(2)パートタイム労働者からの相談に対応するための体制整備が義務づけられました。(同法第16条)

 ① 相談窓口の設置

  ② 相談窓口の周知 (就業規則、雇用契約書等への記載)

3.パートタイム労働法の実効性を高めるための規定新設

(1)パート労働者の雇用管理の改善措置の規定に違反している事業主に対し、厚生労働大臣は事業主名を公表できるようになりました。(同法第18条第2項)

(2)事業主が、同法の規定に定める報告をしないか又は虚偽の報告をした場合、20万円以下の過料に処せられるときがあります。(同法第30条)

 

法改正に合わせて、どのような対応が必要ですか?

同法の実効性を高める罰則規定が新設されたことから、今後、行政庁(厚生労働省の都道府県労働局)は取締を強化していくと思われます。なかでも、パートタイム労働者からの相談に対応する相談窓口の設置等(前項の2.(2))は就業規則等で容易に確認できるため、指導対象の重点項目となる可能性があります。

それに合わせた具体的な対応としては、相談窓口の担当部課や担当者の役職等を就業規則に明記するか、又は労働者に文書で直接交付することが必要です。

なお、相談窓口は必ずしも社内に設ける必要はなく、外部機関を利用してもかまいません。例えば、顧問契約を結んでいる社労士事務所を、相談窓口として指定することもできます。

ぜひご活用ください。

退職者からの賃金請求

Q.退職した社員から、すぐに給料と退職金を支払ってほしいとの請求がありました。断っても問題ないでしょうか?

当社の賃金は、末日締めの翌月15日支払です。また、退職金は、退職月の翌月末日支払とする旨、いずれも就業規則において定めています。

ところが、勤務成績不良により解雇した元従業員から、「急な出費があるので、すぐに給料と退職金を払って欲しい。」との請求がありました。就業規則に基づいて、請求を断り、所定の支払期日まで待つよう伝えたいと考えますが、そうした対応で問題ないでしょうか?

 

A.使用者は、退職した労働者から請求があった場合、7日以内に賃金を支払わなければなりません。

労働基準法第23条は、「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者からの請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他の名称を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。」と定めています。いわゆる「金品の返還」に関する条文です。

この場合の権利者とは、一般的には、労働者が退職した場合はその労働者本人、労働者が死亡した場合は遺族相続人のことを言います。また、労働者の退職とは、労働者の自己都合による場合のみならず、契約期間の満了等による自然退職、及び使用者の都合による解雇等、労働関係が終了した場合の全てであり、原因を問いません。

本来、賃金については、支払日が到来するまでは、これを支払わなくても、使用者が履行遅滞の責を問われることはありません。ただし、労働基準法第23条(金品の返還)は、労働者の足留(あしどめ)策防止や労働者又はその遺族の生活確保の見地から、賃金の支払に関する規定の特例として設けられたとされています。今どき足留策と言われても、あまりピンときませんが、退職労働者やその遺族の生活確保が立法趣旨である点は、納得できますね。

さて、設問における会社側の対応ですが、以上のことから、退職者本人からの請求後、7日以内に賃金を支払わなければなりません。また、違反すれば、30万円以下の罰金を科せられるときがあります。

 

Q.退職金も7日以内に支払わなければならないのですか?

退職金も、労働協約や就業規則等により、あらかじめ支給条件を明確にしているものは賃金にあたります。設問のケースは、就業規則において退職金に関する規定を定めていたのですから、労働基準法第23条における賃金の一つと言えます。

すると、退職者から請求があれば、同じく7日以内に支払わなければならないのでしょうか?

 

A.退職金は、所定の支払期日に支払えばいいとされています。

前述のとおり、退職金も賃金にあたります。ただし、通常の賃金とは性質を異にするものとされています。

旧労働省基準局の通達は、退職金の支払時期について、「退職手当は、通常の賃金の場合と異なり、予め就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りるものである。」(昭和26.12.27 基収第5483号、昭和63。3.14 基発第15号)と定めています。

こうしたことから、退職者からの請求があった場合、給料は7日以内に支払わなければなりませんが、退職金は就業規則どおり退職月の翌月末日支払で差し支えありません。

 

MENU

ごあいさつ
プロフィール
当事務所の理念
事業主様へ
アクセス
  プライバシーポリシー
業務のご案内
労働・社会保険全般
  労働・社会保険手続
  給与計算代行
  特別加入手続代行
新規適用手続代行
就業規則、社内規程
労務管理、労務監査
助成金等
起業家の方、応援
料金のご案内
お役立ち知識
法令改正情報
テーマ別・社会労務
ダウンロード
らくらく診断
お問い合せ
ブログ