退職者からの賃金請求

Q.退職した社員から、すぐに給料と退職金を支払ってほしいとの請求がありました。断っても問題ないでしょうか?

当社の賃金は、末日締めの翌月15日支払です。また、退職金は、退職月の翌月末日支払とする旨、いずれも就業規則において定めています。

ところが、勤務成績不良により解雇した元従業員から、「急な出費があるので、すぐに給料と退職金を払って欲しい。」との請求がありました。就業規則に基づいて、請求を断り、所定の支払期日まで待つよう伝えたいと考えますが、そうした対応で問題ないでしょうか?

 

A.使用者は、退職した労働者から請求があった場合、7日以内に賃金を支払わなければなりません。

労働基準法第23条は、「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者からの請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他の名称を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。」と定めています。いわゆる「金品の返還」に関する条文です。

この場合の権利者とは、一般的には、労働者が退職した場合はその労働者本人、労働者が死亡した場合は遺族相続人のことを言います。また、労働者の退職とは、労働者の自己都合による場合のみならず、契約期間の満了等による自然退職、及び使用者の都合による解雇等、労働関係が終了した場合の全てであり、原因を問いません。

本来、賃金については、支払日が到来するまでは、これを支払わなくても、使用者が履行遅滞の責を問われることはありません。ただし、労働基準法第23条(金品の返還)は、労働者の足留(あしどめ)策防止や労働者又はその遺族の生活確保の見地から、賃金の支払に関する規定の特例として設けられたとされています。今どき足留策と言われても、あまりピンときませんが、退職労働者やその遺族の生活確保が立法趣旨である点は、納得できますね。

さて、設問における会社側の対応ですが、以上のことから、退職者本人からの請求後、7日以内に賃金を支払わなければなりません。また、違反すれば、30万円以下の罰金を科せられるときがあります。

 

Q.退職金も7日以内に支払わなければならないのですか?

退職金も、労働協約や就業規則等により、あらかじめ支給条件を明確にしているものは賃金にあたります。設問のケースは、就業規則において退職金に関する規定を定めていたのですから、労働基準法第23条における賃金の一つと言えます。

すると、退職者から請求があれば、同じく7日以内に支払わなければならないのでしょうか?

 

A.退職金は、所定の支払期日に支払えばいいとされています。

前述のとおり、退職金も賃金にあたります。ただし、通常の賃金とは性質を異にするものとされています。

旧労働省基準局の通達は、退職金の支払時期について、「退職手当は、通常の賃金の場合と異なり、予め就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りるものである。」(昭和26.12.27 基収第5483号、昭和63。3.14 基発第15号)と定めています。

こうしたことから、退職者からの請求があった場合、給料は7日以内に支払わなければなりませんが、退職金は就業規則どおり退職月の翌月末日支払で差し支えありません。

 

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