2015年3月アーカイブ

年次有給休暇の消化の義務付が施行される予定です。

今後、労働関連の法令改正が相次いで行われる予定です。その一つとして、労働者の年次有給休暇の取得を使用者に義務付ける、労働基準法の改正があります。

日本の有給休暇の取得率は、既に取得を義務付けている欧米の100%にほど遠い48,8%(2013年)となっています。その原因として、「有給休暇を申し出にくい雰囲気」「まわりへの遠慮」「仕事量が多く休む暇がない」等が指摘されています。

労働基準法の改正は、使用者側と労働者側の利益が相反することが多いことから、すんなりとは合意に結び付きません。そうした中にあって、この改正は両当事者が早い段階で導入に合意した事例です。義務付する日数等については意見対立もありましたが、それらにも調整がつき、平成28年4月施行を目指し、国会に提出されました。

この改正は、企業規模に関わらず、労働基準法が適用される全ての事業場に適用されます。中小企業等への特例措置はありません。

 

有給休暇消化義務の具体的内容は、どのようなものですか?

使用者に義務付けられる具体的な内容は、次のとおりです、

① 有給休暇のうち、5日分は使用者が時季指定をすること。

 (違反の場合は罰則の対象とする。)

② ①のうち、義務とする日は、社員が自ら有給休暇を申し出た分の残りの分とする。(たとえば、社員が2日有給休暇を消化した場合、義務とされる日は残りの3日になる。)

③ 対象者は、年10日以上の有給休暇を付与される全ての人とする。

本来、有給休暇は労働者の申出(時季指定)により履行されるものです。改正により、使用者は社員から申し出がない場合であっても、年に5日は強制的に有給休暇を消化させなければなりません。

この5日には社員が自主的に有給休暇を消化した分を含めます。したがって、たとえば既に社員自ら5日以上消化していれば、使用者は義務を果たしたことになります。

また、対象者は管理職等を含めた全ての社員です。ただし、「年10日以上の有給休暇を付与される人」が対象者となりますので、パートタイマー等、一部の社員には適用されません。

 

今後の対応として、どのようなことが必要でしょうか?

まず、自社における有給休暇の取得率を確認することが必要です。

既に取得率が高い事業場であれば、改正による影響はありません。

一方、現在取得率の低い会社にとっては、改正による影響はとても大きくなります。実態としては、社員1人が休んでも業務が回らなくなるような事業場もあるでしょう。

けれども、もはやそんなことは言っていられません。平成28年4月の施行を見据え、早期に社員の有給休暇取得率を上げる取組を進めることが大切です。

取得率の低い原因を調査し、人手不足のためであれば人を増やす。人を増やせない場合は、業務の効率化を図る。いずれかの対応が必要です。社員が5日の有給休暇を取得しても、業務に支障の生じない社内体制の構築が急務となっています。

Q.不採用とした人から履歴書の返却を求められました。  応じる必要がありますか?

当社は、新規採用者を募集しています。先日、不採用とした人から、履歴書を返却してほしいとの申し出がありました。このような請求を受けたのは、初めてです。手間や費用も掛かるので断りたいのですが、法的に問題はありますか?

 

A.法的な取り決めはありませんが、返却が望ましいと考えられます。

企業等が人を雇い入れる際の参考資料として、応募者に対し履歴書の提出を求めることは、慣行として定着しています。

労働基準法第109条は「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。」と定めています。ただし、ここで言う「雇入れに関する書類」とは、雇入れ通知書や労働条件通知書などの書類です。履歴書のような採用のための選考書類は含まれないと解されています。つまり、履歴書については、法的な保存義務はありません。また、履歴書の返却や廃棄等に関しても、法的な取り決めはありません。したがって、事前に応募者に対し不採用となった時の履歴書の取扱について明示しておけば、このような事態を回避できます。具体的には、応募時に「不採用とした場合、履歴書の返却はしない」旨を明示しておきます。

一方、こうした明示をしていなかった等の場合、どのような問題が生じるでしょう?

履歴書には、応募者の氏名や住所、生年月日、職歴等、さまざまな個人情報が記載されています。したがって、個人情報保護の観点から、取扱いには十分注意しなければなりません。

個人情報保護法第18条は、次のとおり定めています。

(1)利用目的を事前に公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知または公表しなくてはならない。

(2)書面等により直接本人から取得する場合には、利用目的を事前に本人に明示しなければならない。

採用時に企業等が履歴書を取得する行為は、その目的が明らかなので、選考のみに利用するのであれば、利用目的を本人にあえて明示しなくとも問題はないと考えられます。採用活動が終わり、既に個人情報の利用目的が達成されたのであれば、不採用の履歴書はもはや保管する必要がありません。したがって、すみやかに廃棄すべきでしょう。

そして、廃棄前の時点において、仮に、不採用者から履歴書の返却を求められたとすれば、企業等にとっては、法的な取り決めはないものの、条理上、又は企業イメージの維持向上等の観点からも、返却することが望ましいと考えられます。

また、 返却する場合は、個人情報の紛失とならないよう十分に留意する必要があります。具体的には、本人に直接受け取りに来てもらう。また郵送する場合であれば、書留で送るなどの配慮が必要です。

 

 

MENU

ごあいさつ
プロフィール
当事務所の理念
事業主様へ
アクセス
  プライバシーポリシー
業務のご案内
労働・社会保険全般
  労働・社会保険手続
  給与計算代行
  特別加入手続代行
新規適用手続代行
就業規則、社内規程
労務管理、労務監査
助成金等
起業家の方、応援
料金のご案内
お役立ち知識
法令改正情報
テーマ別・社会労務
ダウンロード
らくらく診断
お問い合せ
ブログ