携帯電話24時間対応と労働時間について

Q.時間外や休日であっても携帯電話をONにさせている時間は労働時間にあたりますか

当社は、損害保険会社の代理店です。事故の場合、お客様には担当者の携帯電話に直接連絡を入れてくださるようお願いしています。事故はいつ起きるか分からないので、担当者には携帯電話の電源は必ず24時間、365日、入れておくよう命じています。多いときは、月に5~6回程度、所定労働時間外に対応しています。

先日、「ビルの管理人の仮眠時間は、労働時間に該当する」とした判例があると聞きました。そうすると、当社のように、所定労働時間外や休日であっても、常に連絡が取れる状態にしている時間は、労働時間ということになるのでしょうか?

 

A. 拘束の度合いや呼び出しの頻度によっては労働時間となる

「ビルの管理人の仮眠時間は、労働時間に該当する」とした判例(大星ビル管理事件、最高裁-小、平成14.2.28判決)の内容を見ると、次のとおりです。

(1)事実の概要

ビル管理会社の従業員が、24時間勤務の内、会社から与えられた連続仮眠時間7~9時間は、労働時間にあたるとして、労働協約、就業規則所定の時間外勤務手当及び深夜手当を会社に請求した。

原告である従業員は、仮眠時間帯の外出を原則禁止され、飲酒も禁止されていた。また、仮眠時間中であっても、電話の接受や警報への対応等を義務づけられていた。

(2)判決の要旨

① 労働基準法第32条の労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。

② 実作業に従事していない仮眠時間が、労働基準法の労働時間に該当するか否かは、労働者が仮眠時間において、使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより、客観的に定まると言うべきである。

③ そして、仮眠時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて、初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。

 

さて、設問のケースは、どう考えるべきでしょう?

労働者が、お客様からの連絡にいつでも応じられるよう、携帯電話の電源を入れている時間は、使用者の指揮命令下にあるとも言えそうです。すると、労働時間にあたるのではないかとも考えられます。

しかし、判例との大きな違いは、場所の拘束がないこと、また、連絡があれば対応しなければならないにせよ、それ以外に行動の制約はないことです。

携帯電話の電源が入っていても、時間外や休日の行動は原則として自由であり、外出も飲酒も可能です。そうであれば、使用者の指揮命令下にあるとはいえず、労働時間には該当しないと考えられます。ただし、時間外や休日に対応している頻度が非常に多いとか、または常態化しているような場合は、労働時間と判断される可能性はありますので、注意が必要です。

 

実際に対応した時間は労働時間になります

実際に対応した時間は、「実作業に従事した時間」として、当然に労働時間にあたります。

したがって、使用者は、時間外割増賃金や休日割増賃金を支払う必要があります。

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