2015年12月アーカイブ

変形労働時間制

Q.残業代の節減につながるような、労働時間の設定の仕方はありませんか?

当社は小売業を営んでいます。労働時間は1日6.5時間、月曜日は閉店するので、その日を従業員の休日に宛てています。繁忙期は、例年一年のうちの前半ですが、その時期は残業時間が増え、人件費がかさんでしまいます。残業代の節減につながるような、労働時間の設定の仕方はありませんか?

 

A.変形労働時間制の採用を検討してはいかがですか?

労働時間の原則は、労働基準法第32条に定めています。すなわち、

(1)使用者は、労働者に休憩時間を除き一週について40時間を超えて労働させてはならない。

(2)使用者は、一週間の各日については、労働者に休憩時間を除き一日について8時間を超えて労働させてはならない。

また、同法第35条は、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。」としています。

これらの条件を満たせば、使用者は、労働日数や労働時間を自由に設定できます。例えば、仮に休日を一日としたい場合、日々の労働時間を6.5時間と設定したり、又は7時間を5日、5時間を1日と設定したりしても、週40時間以内をクリアすれば問題ありません。

一方、「週40時間、一日8時間」の定めを超えるために必要な手続として、労使協定(36協定)の締結等があります。従業員の過半数を超える従業員が加盟する団体があれば、その団体と協定を締結し、協定届を労働基準監督署長に提出すれば、法定時間を超えた労働は可能です。ただし、使用者に法定時間を超えた分に対する割増賃金、いわゆる残業代の支払義務が生じることは言うまでもありません。

さて、設問は、人件費抑制の一環として、合法的かつ合理的に残業代を節減する方法はないか、というものです。繰り返すと、時間外労働が生ずれば、それに対し残業代を支払うことは使用者の法的義務であり必然です。言い換えれば、時間外労働がなければ残業代は不要ですが、そうすると店舗の稼働率低下に伴う売上減少の懸念等といったジレンマが生じます。

このような問題の解決につながる方策は、いくつか考えられます。例えば設問の会社のように、一年間のうちのある一定の期間は忙しいことがおおむね経験則から明らかな場合、繁忙期は所定労働時間を法定要件である「週40時間、一日8時間」よりも長く設定し、他方、それ以外の時期の所定労働時間はより短く設定することによって、年間平均で「週40時間」をクリアすることです。

これを、「変形労働時間制」と言いますが、その効果を整理すると、次のとおりです。

(1)効率的な時間配分により、年間の総労働時間を抑制、又は短縮できる。

(2)繁忙期に一時的に労働時間を増加させても、割増賃金の支払義務はないので、経費節減につながる。

現行法令上は、4つの変形労働時間制が認められています。すなわち、一年単位、一か月単位、フレックスタイム、一週間単位です。

設問のケースのように、一年のうち繁忙期とそれ以外の時期が明らかな場合は、一年単位の変形労働時間制の導入を検討すべきです。

 

変形労働時間制を採用する具体的な手続は?

変形労働時間制を採用するには、労使協定を結んだうえで、届出書を労働基準監督署長に提出しなければなりません。

届出書には、「対象労働者の範囲」、「対象期間の起算日」、「対象期間」、「対象期間における労働日及び各労働日毎の労働時間等」を記載します。就業規則にも定める必要があります。

なお、一度、変形労働時間制を採用すると、対象期間中は変更や中止等ができないことにも注意が必要です。

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