2016年8月アーカイブ

パートタイム労働法

Q.パート社員を雇用するとき、注意すべきことはありますか?

製造業を営む者です。従業員は、工員として雇入れた正社員5名です。給与計算等の事務処理は、現在、事業主である私が自ら行っています。今後、新たに事務職員としてパート社員を採用したいと考えています。雇用の際は、どのような点に注意すべきですか?

 

A.事業主には「パート労働法」の遵守が求められます

いわゆるパート社員(パートタイム労働者)は、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(通称「パートタイム労働法」、以下「同法」と言います。)の適用対象とされます。

最初に、そもそもパートタイム労働者とはどのような従業員のことか、確認しましょう。同法第2条(定義)は「『短時間労働者(パート労働者)』とは、一週間の所定労働時間が同一の事業場に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。」と定義しています。つまり、社内的な名称等に関わらず、労働時間が正社員に比べて短い従業員は、パートタイム労働者として、全てこの法律の適用を受けることとなります。

さて、同法で最も注意すべき点として「正社員との均等待遇の確保」同法8条及び9条)が挙げられます。

企業がパートタイム労働者を雇用する目的としては、人件費削減が一般的と考えられます。その結果、パートタイム労働者は、正社員に比べて時間単価が低い、賞与や退職金がない、福利厚生費が支給されない、等々の差別的待遇の下にある実態が指摘されています。

同法の改正により、平成27年4月からは、正社員と同じ仕事をしているパートタイム労働者に対し、賃金や福利厚生費などの待遇に差をつけることが禁止されました。仕事の内容が同じであれば、正社員であろうとパートタイム労働者であろうと同一の待遇とするよう、事業主に義務づけたのです。

このことを踏まえると、パートタイム労働者を採用するときは、次の二つの観点から検討すべきと考えられます。

(1)人件費削減を目的としてパート労働者を採用する場合は、職務内容や職責等を、正社員よりも異なるもの(軽くする)とすること

(2)職務内容や職責等が正社員と同じであれば、賃金等は同一にすること

そこで設問のケースを見ると、正社員は工員であるのに対し、パートタイム労働者は事務職として採用する予定です。職務内容が異なることから、仮に、待遇に格差を設けたとしても、合理的な理由はあるものと考えられます。ただし、パートタイム労働者であっても、雇用にあたっては、次の事項を遵守しなければなりません。

① 労働条件に関する文書の交付等(同法第6条)

昇給の有無、退職手当等の有無、賞与の有無、相談窓口等について、あらかじめ明示すること

② 実施する雇用管理の改善措置の内容の説明(同法第14条)

賃金制度、教育訓練、福利厚生、社員転換推進措置等について、きちんと説明すること

③ パートタイム労働者からの相談に対応する社内体制の整備 (同法第16条)

④ 正社員への転換措置の整備(同法第13条)

仮に、事業主が同法に違反した場合、厚生労働大臣からの勧告を受けるとともに、それに従わないときは企業名の公表もあり得ます。また、労働局からの求めに対し虚偽の報告をした場合は、20万円以下の 過料が科せられます。

このように、従来のもっぱら人件費削減を目的としたパートタイム労働者の活用は、見直しを迫られていると言えそうです。



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