2017年5月アーカイブ

Q.無期転換制度とは?また、必要な対策は?

小売業を営んでいます。従業員は、正社員3名、有期契約のパートタイマー10名です。パートタイマーの多くは事業場の近隣に住む主婦で、夫の扶養の範囲内での勤務を希望しています。居心地のいい職場のため、パートタイマーの勤続年数は平均8年程度です。

先日、同業者と懇談中、有期契約社員の無期転換対策が話題となりました。どのような制度でどのような対策が必要でしょうか?

 

A.同一の使用者との間で通算5年を超えて勤務した有期契約労働者が希望すると、無期雇用としての労働契約が成立します

最初に、無期契約への転換制度についてです。有期契約労働の濫用抑制や労働者の雇用安定を目的とする労働契約法(以下「同法」と言います。)の一部改正に伴い、同法第18条において「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(無期転換制度)」が定められ、平成24年8月施行されました。その内容は次のとおりです。

(1)同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約に契約期間を通算した期間が5年を超える労働者が、期間の定めのない労働契約の締結の申込をした場合は、使用者はその締結の申込を承諾したものとみなす。

(2)この場合において、締結後の労働条件は、現に締結している内容である労働条件と同一の労働条件とする。

要するに、5年を超えて雇用している有期契約労働者から申込があったとき、次の契約から期間の定めのない労働契約(無期契約)となります。使用者は、この申込を拒否することはできません。


 

ただし、有期労働契約の期間の起算は平成2541日で、それ以前から契約があっても通算しないとされています。そうすると、1年毎の契約であれば、平成30331日に初めて申込の要件を満たす者があらわれ、その者から申込があった場合、平成3041日から無期労働契約が成立することとなります。その場合の労働条件は、(2)のとおり従前の労働条件と同一とされています。つまり、無期労働契約になったからといって、労働時間や仕事内容を正社員と同一にする必要はありませんし、賃金もこれまでどおりでかまいません。

これらのポイントを認識した上で、使用者が取るべき対策は概ね次のとおりです。第一に方針を定めること。具体的には、無期転換者を認めるかそれとも認めないかです。認めない場合は、4回目の更新にあたり次回の更新はないことを明示しなければなりません。ただし、設問の事業場は「平均勤続年数8年程度」から、既に時機を逸した可能性が大きいと考えられます。そうであれば、無期転換者を認める前提で必要な対策を講じる必要があります。無期転換後の労働条件の説明義務が生じますが、従来と同じで差し支えないことは前述のとおりです。また、無期転換者向けに就業規則等の社内規程を整備することが、無用のトラブルを防止する観点から大切と考えられます。

一方、無期転換者となることのメリット、デメリットについてです。メリットは雇用が安定することです。逆に、デメリットは退職理由として「契約期間満了」がなくなるため、自己都合か解雇のいずれかとなります。自己都合の場合、失業給付受給に際して3か月の給付制限がかかるので、このこともきちんと伝えるべきでしょう。


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