2018年3月アーカイブ

Q.従業員との間で定めるべき内容は?また、契約書を交わす必要は?そして、交わす場合どのようなものでしょうか?

この度起業し、私が代表取締役、従業員1名の会社を設立しました。給料は月額を伝えて合意しましたが、その他は特に定めていません。今後、どのようなことを定める必要がありますか?また、その際に何かしらの契約書は必要でしょうか?

 

A.従業員との間で定める内容は労働基準法で定められており、使用者は書面で交付する義務があります 

労働基準法(以下「同法」と言います。)は、労働者の保護を目的として制定された法律で、その目的を履行させるため、使用者が行うべきこと等を具体的に定めています。ほとんどの条文は、「使用者は、...をしなければならない」という定めぶりです。

「最初が肝心」ということわざもあるように、最初に間違うと後の修正は大変です。特に労務管理の場合、悪気はなかったけれども、賃金不払にあたる等、ことが重大になるケースも少なくありません。また、再三お伝えしたとおり、「不利益変更の禁止」原則が適用されるので、最初に使用者側にとって不利な労働条件を交わしていると、その変更は困難です。したがって、従業員を雇い入れるに当たっては、同法の主旨を十分理解し、知らない間に違法を犯したり、又は使用者側に著しく不利な労働条件となったりしないよう、十分留意いただきたいと思います。

 

同法第15条(労働条件の明示)は、次のように定めています。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

このように、使用者は従業員に対し、雇入れの際、次の労働条件を盛り込んだ書面を交付しなければなりません。厚生労働省「労働条件通知書」のモデルを活用すれば簡単に作成できます。

(1)賃金に関すること

(2)労働時間に関すること

(3)労働契約の期間

(4)有期労働契約を更新する場合の基準

(5)就業の場所及び従事すべき業務

(6)所定労働時間を超える労働の有無

(7)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇

(8)賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給

(9)退職に関すること

 

一方、労働条件通知書に似たものとして、雇用契約書があります。前者は使用者が従業員に交付するものですが、後者は契約書というとおり、記載の契約内容に双方が合意し、記名押印して初めて有効となります。ただし、雇用契約それ自体は口頭又は暗黙の合意でも成立し、契約書を作成する義務はありません。とは言え、想定外のトラブルに備えて、合意した内容を書面にし、双方で保管することには大いに意味があります。記載内容に特段の定めはありませんから、トラブルになりそうな部分のみ記載しても構いません。

ということで、設問への回答は次のとおりとなります。

○ 厚生労働省「労働条件通知書」モデル等を活用して所定の労働条件を記載し、従業員に交付します。

○ 雇用契約書の作成及び交付の義務はありません。

○ ただし、作成したい場合は、労働条件通知書兼雇用契約書として作成し、双方が押印して保管すれば、労働条件通知書の交付と雇用契約書の作成・保管との一挙両得です。




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