2018年10月アーカイブ

 時間外労働の上限規制(中小企業2020年4月1日施行)

労働時間は、労働基準法(以下「同法」と言います。)第32条において、週40時間、1日8時間以内と定めています。この時間が法定労働時間です。これに対して、所定労働時間といわれるものがあります。これは、事業場がそれぞれ労働時間として定める時間です。所定労働時間は、法定労働時間内であれば何時間でもかまいません。言い換えると、所定労働時間≦法定労働時間という図式です。

さて、法律上の時間外労働とは、法定労働時間を超える労働です。本来、同法は時間外労働を禁止しています。ただし、企業の自由な経済活動に配慮し、一定の要件を満たした場合、時間外労働を可能としています。その要件は過半数労組、過半数労組がない時は事業場の過半数代表者と時間外・休日労働協定(36協定)を締結した上で、労働基準監督署長に届け出ることです。

時間外労働は、1カ月45時間、1年360時間までとの基準があります。しかし、これは厚生労働大臣の告示に過ぎず、法的拘束力はありません。また、36協定において特別条項を結ぶことにより、上限なく時間外労働に従事させることができます。更に、同法上、休日労働に対する規制はありません。結果として、少なからぬ企業で法定労働時間を超えた労働が常態化していることは、ご承知のとおりです。同法が、「ざる法」と指摘される所以です。 


 

今回の改正により、時間外上限基準は厚生労働大臣の告示から格上げされ、同法第36条4項~6項に明記されました。これに違反すれば罰則の適用もあり、適切な対応が必須です。


 

改正により設けられた時間外労働の上限時間は?

繰り返しになりますが、同法改正前は休日労働の規制はありません。厚労相告示の時間外労働時間には、休日の労働時間は含まれません。しかし、今回の改正においては、上限時間の中に休日の労働時間を含まれる場合と含めない場合とがあり、少しややこしくなります。

以下、同法第36条の各項ごとに説明します。

 
(新設)36条4項...限度時間  (※は1年単位の変形労働時間制)

期 間

上限時間

休日労働の時間

1カ月

45時間(※42時間)

含めない

1年

360時間(※320時間)

含めない

 

(新設) 36条5項...特別条項を設けた場Z

期 間

延長できる上限時間

休日労働の時間

1カ月

100時間未満

含まれる

1年

720時間未満

含めない

ただし、特別条項を発動する月数は最大でも6カ月以内

 

(新設)36条6項...更なる規制(特別条項がない事業場も適用)

期 間

時間外労働の最大時間

休日労働の時間

1カ月

100時間未満

含まれる

2カ月から6カ月のそれぞれの平均

80時間未満

含まれる

ただし、次の業務については、適用除外とされています。

①工作物の建設等の事業

②自動車の運転の業務

③新技術、新商品等の研究開発の業務

④その他厚生労働省労働基準局長が指定するもの




 

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