2019年6月アーカイブ

36協定の特別条項についても限度時間等が設けられました

140時間、18時間の法定労働時間、及び毎週少なくとも1日又は44日の法定休日を超えた労働を、労働基準法(以下「同法」と言います。)違反に当たることなく行わせるために、使用者は同法第36条第1項に定める36協定の手続を行う必要があり、このことは改正前と変わりません。

 

一方、それまで厚労相告示に止まり、強制力のなかった時間外労働の限度時間が、今回の改正により同法第36条第4項において、原則1箇月45時間、1360時間と定められました。202041日から、中小企業においても改正後の規定が適用されます。

 

さて、年間の所定労働日数を365日から土日及び祝日を除いた244日、月の平均所定労働日数を20日とした場合、仮に毎日1.5時間の時間外労働をすると、月の時間外労働は1.5時間×20日=30時間となり、限度時間の45時間内に収まります。ところが、それを1年間で見ると1.5時間×244日=366時間となり、限度時間の360時間を超えてしまいます。つまり、時間外労働の管理は、月と年間の二つの観点から行う必要があります。

ところで、予見困難な業務量の大幅増など、企業活動上どうしても限度時間を超えて労働させることが必要なときがあります。これまでも36協定の特別条項として、例月の限度時間を超えて延長できる時間を定めることができました。そもそも例月の限度時間が法定されていなかったので、特別条項にも限度はありませんでした。今回の改正により、新たに同法第36条第5項において、特別条項の限度時間等が定められています。

条文を適宜要約して記載すると、次のとおりです。

同法第36条(時間外及び休日の労働)第5項 使用者は、事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1箇月及び休日並びに1年について同条第4項の労働時間を延長して労働させる時間を定めることができる。この場合において、その延長できる月数を定めなければならない。なお、1箇月については休日と合わせて100時間未満。1年は月の合計が720時間以下(休日は含まない)。月数は6箇月以下とする。

 

ここで注意すべきは、休日労働の取扱です。すなわち、同法36条第4項に定める1箇月45時間、1年間360時間の限度時間は、いずれも休日労働を含みません。したがって、限度時間を超えて労働させても、それが休日労働であれば法違反には当たりません。

 

それに対して、同法36条第5項に定める特別条項は、条文に下線を付したとおり、1箇月の限度時間100時間は休日労働の時間を含みますが、1年間の限度時間720時間は含みません。また、特別条項を適用し、休日を含めて1箇月45時間超、100時間未満の労働をさせることができるのは、年間6箇月以下です。

例えば、月の時間外労働が41時間、休日労働60時間であれば、同法36条第4項違反には当たりません。しかし、仮に特別条項を定めていても、その限度である「休日労働と合わせて100時間」を超えるので、同法36条第5項違反です。

 

特別条項の1箇月の限度時間100時間については、もう一つ注意が必要です。その月で100時間を超えないのみならず、前後26箇月の平均で80時間を超えてはいけません。したがって、仮に先月100時間時間外労働したとすれば、今月60時間を超えると2箇月平均80時間超となり法違反です。また、今月50時間時間外労働したとすれば、来月に法違反とならないためには、100時間+50時間+X/380時間から、X90時間未満とする必要があります。

 

 

 

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