2020年4月アーカイブ

民法改正に伴い賃金請求権の時効消滅期間の延長など労働基準法の一部が改正されました

民法改正に伴う労働基準法の主な改正は、次のとおりです。

(1)賃金請求権の消滅時効の延長(2年→5年)

(2)賃金台帳などの記録の保存期間の延長(3年→5年)

(3)付加金の請求期間の延長(2年→5年)

ただし、当分の間、延長は3年とすることとしています。また、退職金請求の消滅時効は現行どおり5年としています。

次に、その対象となる具体的内容です。

(1)

請求権が延長された賃金

(当分の間3年、ただし退職金を除く)

・金品の返還・賃金の支払・非常時払

・休業手当・出来高払制の補償給

・時間外、休日労働に対する割増賃金

・年次有給休暇中の賃金

・未成年者の賃金請求権

(2)

保存すべき記録

(当分の間3年)

・労働者名簿・賃金台帳・雇入れに関する書類・解雇に関する書類・災害補償に関する書類・賃金に関する書類・その他労働関係に関する重要な書類(出勤簿等)

(3)

付加金の対象となる違反

・解雇予告手当・休業手当・割増賃金

・年次有給休暇の賃金

Q.5月5日(火)の祝日に出勤を命じた場合割増賃金率は25%と35%のどちらで計算する必要がありますか?

当社は、1日8時間労働、土曜・日曜、その他国民の祝日を休日としています。今年、社員に5月5日の祝日に勤務を命じなければなりません。そのときの割増賃金の計算ですが、5月5日は休日に当たるので、休日労働の割増賃金率35%で計算すべきと考えました。しかしその一方、5日に出勤してもその週の総労働時間は24時間なので、割増率は25%でよい気もします。どちらが正しいですか?

A.割増賃金は発生しません

令和2年4月1日以降の賃金支払日から、改正労働基準法が適用されます。賃金未払いがあった場合、労働者からの賃金請求権はこれまでの2年から5年に延長されます。ただし、当分の間は3年とすることは前述のとおりです。

一方、割増賃金の未払いは、付加金の対象となる違反です。労働者の付加金請求を裁判所が認めた場合、事業主は割増賃金と同額の付加金を支払わなければなりません。つまり、2倍の割増賃金を支払うことになり、金額次第では、事業経営にも影響を与えかねません。したがって、未払い賃金を絶対に発生させないことが重要です。

さて、質問への答えです。設問の会社の場合、5月5日(火)の国民の祝日に勤務をさせても割増賃金は発生しません。割増賃金は、労働時間が週40時間又は1日8時間を超えた場合、超えた時間に対して25%増しの賃金を支給するものです。5月5日の祝日に勤務しても、週の総労働時間が24時間であれば、40時間を超えていないので、割増賃金は不要です。

ところで、55日の労働は、そもそも休日労働に当たるのでしょうか?労働基準法上の休日労働は、週に1日も休みがなかった場合の労働、又は月の休みが4日未満の労働です。設問の会社では、55日(火)に出勤しても、その週の休日は3日・4日・6日・9日と4日間あります。したがって、55日の労働は休日労働に当たりません。法令上はこのとおりですが、仮に就業規則等で法令を超えた処遇を定めている場合は、その規定どおりに対応する必要があります

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