社会労働関係法令改正情報の記事

36協定の特別条項についても限度時間等が設けられました

140時間、18時間の法定労働時間、及び毎週少なくとも1日又は44日の法定休日を超えた労働を、労働基準法(以下「同法」と言います。)違反に当たることなく行わせるために、使用者は同法第36条第1項に定める36協定の手続を行う必要があり、このことは改正前と変わりません。

 

一方、それまで厚労相告示に止まり、強制力のなかった時間外労働の限度時間が、今回の改正により同法第36条第4項において、原則1箇月45時間、1360時間と定められました。202041日から、中小企業においても改正後の規定が適用されます。

 

さて、年間の所定労働日数を365日から土日及び祝日を除いた244日、月の平均所定労働日数を20日とした場合、仮に毎日1.5時間の時間外労働をすると、月の時間外労働は1.5時間×20日=30時間となり、限度時間の45時間内に収まります。ところが、それを1年間で見ると1.5時間×244日=366時間となり、限度時間の360時間を超えてしまいます。つまり、時間外労働の管理は、月と年間の二つの観点から行う必要があります。

ところで、予見困難な業務量の大幅増など、企業活動上どうしても限度時間を超えて労働させることが必要なときがあります。これまでも36協定の特別条項として、例月の限度時間を超えて延長できる時間を定めることができました。そもそも例月の限度時間が法定されていなかったので、特別条項にも限度はありませんでした。今回の改正により、新たに同法第36条第5項において、特別条項の限度時間等が定められています。

条文を適宜要約して記載すると、次のとおりです。

同法第36条(時間外及び休日の労働)第5項 使用者は、事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1箇月及び休日並びに1年について同条第4項の労働時間を延長して労働させる時間を定めることができる。この場合において、その延長できる月数を定めなければならない。なお、1箇月については休日と合わせて100時間未満。1年は月の合計が720時間以下(休日は含まない)。月数は6箇月以下とする。

 

ここで注意すべきは、休日労働の取扱です。すなわち、同法36条第4項に定める1箇月45時間、1年間360時間の限度時間は、いずれも休日労働を含みません。したがって、限度時間を超えて労働させても、それが休日労働であれば法違反には当たりません。

 

それに対して、同法36条第5項に定める特別条項は、条文に下線を付したとおり、1箇月の限度時間100時間は休日労働の時間を含みますが、1年間の限度時間720時間は含みません。また、特別条項を適用し、休日を含めて1箇月45時間超、100時間未満の労働をさせることができるのは、年間6箇月以下です。

例えば、月の時間外労働が41時間、休日労働60時間であれば、同法36条第4項違反には当たりません。しかし、仮に特別条項を定めていても、その限度である「休日労働と合わせて100時間」を超えるので、同法36条第5項違反です。

 

特別条項の1箇月の限度時間100時間については、もう一つ注意が必要です。その月で100時間を超えないのみならず、前後26箇月の平均で80時間を超えてはいけません。したがって、仮に先月100時間時間外労働したとすれば、今月60時間を超えると2箇月平均80時間超となり法違反です。また、今月50時間時間外労働したとすれば、来月に法違反とならないためには、100時間+50時間+X/380時間から、X90時間未満とする必要があります。

 

 

 

有給5日にカウントできる日、できない日を確認しましょう

本年4月1日以降の基準日、つまり年次有給休暇(以下「有休」と言います。)の付与日から、年10日以上の有休を付与する従業員を対象として年5日の有休を取得させることが使用者に義務付けられました。今回の改正にあたって、厚生労働省等は「年次有給休暇の時季指定義務」「わかりやすい解説」等、様々な解説資料を示していますが、公表時期により若干の異同があります。そこで今回は、本年3月公表版の「改正労働基準法に関するQ&A(厚生労働省労働基準局)」において、有休5日にカウントできる日として新たに付け加えられた「リフレッシュ休暇」を取り上げます。また、カウントできない特別休暇との違いも併せて確認します。

さて、有休5日取得としてカウントできる日は次のとおりです。

(1)労働者自ら時季指定した日

(2)半日単位で取得した日(0.5日としてカウント)

(3)労使協定に基づき計画的に付与された日

(4)前年度の繰越し分を取得した日

(5)使用者が法定を上回る年次有給休暇を付与している日

(6)法定の年次有給休暇に加えて、取得理由や取得時季が自由で年次有給休暇と同じ賃金が支給される「リフレッシュ休暇」で、利用期間が1年とされている日(※今回追加)

それに対して、カウントできない日は次のとおりです。

(7)労使協定に基づき取得した時間単位の年次有給休暇

(8)法定の年次有給休暇とは別に設けられた特別休暇

リフレッシュ休暇と特別休暇の違いとは?

リフレッシュ休暇も特別休暇も、法令による義務付けのない、使用者の任意によって労働者に与えることができる休暇です。それではこの二つの違いは何か、解説資料の文言等からは下表のように考えられます。

 

特別休暇

リフレッシュ休暇

5日取得のカウント

できない

できる

利用目的

使用者の規定あり

自由

取得時季

使用者の規定あり

自由

つまり、その利用目的や取得時季が使用者の定める就業規則等により制約されている場合、有休5日取得として取り扱えません。例えば、就業規則において有給の病気休暇を定めている事例があります。その場合、利用目的は病気の療養に制約されることから、5日取得にはカウントできません。

それに対して、労働者が利用目的や取得時季を自らの意思で自由に決定できる「リフレッシュ休暇」は、法定の有休とその趣旨が同一であることから、カウントできます。

なお、就業規則等に定めている休暇の名称は、別に「リフレッシュ休暇」でなくとも構いません。あくまでも利用目的や取得時季について、使用者による制約がないことがポイントです。

 

有給休暇取得5日義務が発生する日はいつでしょう?

労働基準法の改正(以下「改正法」と言います。)によって、本年41日から年10日以上の年次有給休暇(以下「有休」と言います。)を付与される労働者を対象として、その内5日を確実に取得させることが使用者に義務付けられました。そこで覚えていただきたいのが、「基準日」という法律用語です。「基準日」は、有休を新たに付与する日です。会社によっては、雇入れの時点で既に有休を付与している事例も見受けられます。ただし、法令上の付与義務が生じるのは雇入れの日から起算して6カ月間勤務し全労働日の8割以上出勤したときに6カ月を過ぎた日で、その日に付与すれば、その日が「基準日」にあたります。例えば、41日入社であれば、6か月を経過した日は101日なので、101日が「基準日」です。

 

さて、改正法が適用されるのは、平成3141日以降の「基準日」からです。したがって、「基準日」が例年101日である事業所においては、本年101日から翌年930日までの1年間に有休5日を確実に取得させる義務が生じます。自社の基準日はいつか、改めて確認してください。

 

ところで、新卒一括採用など、労働者を雇入れする時期が毎年同一であれば基準日も同一ですが、随時採用など、雇入れの時期が労働に異なると「基準日」もそれぞれ異なりま す。使用者にとって、誰に・いつまでに有休5日取得させなければならないのか管理が煩雑です。基準日が複数ある場合、事務の簡素化・効率化の観点から、これを契機に統一することを検討すべきです。


 

入社2年目以降に基準日を統一した場合の取得義務日数は?

雇入れ1年目は法定どおり6カ月を経過した後に有休を付与し、2年目以降基準日を統一する場合は、年5日の有休を比例按分して取得させることができます。(労働基準法施行規則第24条の5第2項)

仮に、4月1日雇入れのAさんと6月1日雇入れのBさんについて、2年目以降の基準日を4月1日に統一した場合、比例按分による取得義務日数を計算すると次のとおりとなります。

 

【例】入社後6カ月後に10日付与、2年以降は4月1日を基準日に統一

○Aさんの取得義務日数

○Aさんの取得義務日数

 18月÷12×5日=7.5

 2019101日~2021331日までで7.5日取得させます。

○Bさんの取得義務日数

 16月÷12×5日=6.67

 2019121日~2021331日までで7日取得させます。

改正労働基準法第39条(年次有給休暇)が、本年4月から施行されます。その「解釈」について、先般、厚生労働省から都道府県労働局長あてに通達されています。そこで今回はその内容の一部をQ&A形式で取りまとめました。

 

Q1.前年度繰越分の有給休暇を合算して10日以上となった場合、使用者は5日の時季指定義務を負いますか?

A1.使用者が年次有給休暇(以下「有休」と言います。)の時期指定義務を負うのは有休年10日以上の労働者に対してです。ただし、この定めに言う「有休年10日以上」は、あくまで基準日に付与された日数で判断します。したがって、繰越分を合算して10日以上となった場合は、時季指定義務の対象となりません。

Q2.労働者が前年度繰越分の有休を取得した場合、使用者はその日数分を時季指定すべき5日から控除することができますか?

A2.労働者が取得すべき有休は、前年度繰越分かそれとも当年度の基準日に付与された有休であるかを問いません。したがって、使用者は取得した日数分を時季指定すべき5日から控除できます。

Q3.使用者がいったん時季指定した有休をその後使用者側の都合により変更することはできますか?

A3.労働者の意見聴取の手続を行ない、その意見を尊重すれば使用者側都合に基づく変更は可能です。

Q4.使用者がいったん時季指定した有休をその後労働者の申出により変更することはできますか?

A4.原則として、使用者が時季指定した有休を労働者が変更することはできません。ただし、労働者に変更希望があるときは、使用者は意見聴取の手続を行い、その意見を尊重することが望ましいとされています。

Q5.使用者が有休を時季指定した後に労働者が自ら有休を取得した場合の取扱いはどうなりますか?

A5.使用者が時季指定した日に労働者が有休を取得しなくても、直ちに違法とはなりません。ただし、使用者の時季指定については、特段の取決めがない限り、労働者が自ら有休を取得したからといって、当然に無効はならないものと解されています。

Q6.例えば会社の創立記念日を休暇にしているなど、事業場が独自に設けている法定年休とは異なる特別休暇を、労働者が取得した有休とみなすことは認められますか?

A6.設問に例示のような特別休暇等により取得した日数を、使用者が時季指定すべき5日に含めることは認められません。

Q7.今回の労働基準法改正を契機として、前問に例示したような事業場独自の特別休暇を廃止し、有休の計画的付与に振り替えることは認められますか?

A7.設問のような対応は、労働基準法及び今回の労働基準法改正の趣旨に沿わないものと考えられます。また、特別休暇の廃止それ自体は、就業規則の不利益変更法理に照らして判断すべきです。

 

平成31年4月1日施行の「改正労働基準法第39条(年次有給休暇)」について厚生労働省等による「年次有給休暇の時季指定義務」、「わかりやすい解説」等を参考に取りまとめました。

1.201941日から施行される内容のポイントは

A1.年次有給休暇(以下「有休」と言います。)のうち年5日については、使用者が時季を指定して労働者に取得させることが全ての使用者に対して義務付けられます。


Q2.対象となるのは全ての労働者ですか?

A2.有休付与日数が10日以上の労働者が対象です。

Q3.時季指定をすべき期間はいつからいつまでですか?

A3.有休を付与する日(基準日)から次の基準日までの1年間です。例えば基準日が10月1日であれば、2019年10月1日から2020年9月30日の間に5日間を時季指定する必要があります。

Q4.施行日までに予めやっておくことは何かありますか?

A4.時季指定の対象となる労働者の範囲及び指定の方法等について、就業規則に定めておく必要があります(労働者10人未満の事業所を除きます。)。また、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成する必要があり、この管理簿は3年間保存しなければなりません。

Q5.仮に取得できなかった労働者がいたら、どうなりますか?

A5.法違反にあたり、労働基準監督署の監督指導(是正勧告等)の対象です。また、罰則の適用もあり得ます。

Q6.労働者が有休を希望せず、時季指定を行なっても取得を拒否した場合、使用者の責任はどうなりますか?

A6.そうした場合であっても、結果的に有休を取得していないため、使用者は法違反を免れません。こうしたことから、前述の就業規則の改正においては、時季指定は業務上の命令であり違反は懲戒の対象とすること等を併せて定めることが望ましいと考えます。

Q7.労働者本人の請求により既に有休5日を取得済みでも、使用者の時季指定は必要ですか?

A7.労働者が有休を5日取得した時点で、使用者の時季指定義務はなくなります。また、その後は使用者から時季指定を行うことはできません

Q8.使用者が時季指定した日が到来する前に、労働者が自ら有休5日を取得した場合、当初指定した日に取得しなくても法違反にはあたらないと考えていいでしょうか?

A8.結果的に5日取得しているので、法違反にはあたりません。なお、この場合において、使用者が行なった時季指定は、労働者との間に特段の取決めがない限り無効とはならないと解されています。 



 









 


              



 時間外労働の上限規制(中小企業2020年4月1日施行)

労働時間は、労働基準法(以下「同法」と言います。)第32条において、週40時間、1日8時間以内と定めています。この時間が法定労働時間です。これに対して、所定労働時間といわれるものがあります。これは、事業場がそれぞれ労働時間として定める時間です。所定労働時間は、法定労働時間内であれば何時間でもかまいません。言い換えると、所定労働時間≦法定労働時間という図式です。

さて、法律上の時間外労働とは、法定労働時間を超える労働です。本来、同法は時間外労働を禁止しています。ただし、企業の自由な経済活動に配慮し、一定の要件を満たした場合、時間外労働を可能としています。その要件は過半数労組、過半数労組がない時は事業場の過半数代表者と時間外・休日労働協定(36協定)を締結した上で、労働基準監督署長に届け出ることです。

時間外労働は、1カ月45時間、1年360時間までとの基準があります。しかし、これは厚生労働大臣の告示に過ぎず、法的拘束力はありません。また、36協定において特別条項を結ぶことにより、上限なく時間外労働に従事させることができます。更に、同法上、休日労働に対する規制はありません。結果として、少なからぬ企業で法定労働時間を超えた労働が常態化していることは、ご承知のとおりです。同法が、「ざる法」と指摘される所以です。 


 

今回の改正により、時間外上限基準は厚生労働大臣の告示から格上げされ、同法第36条4項~6項に明記されました。これに違反すれば罰則の適用もあり、適切な対応が必須です。


 

改正により設けられた時間外労働の上限時間は?

繰り返しになりますが、同法改正前は休日労働の規制はありません。厚労相告示の時間外労働時間には、休日の労働時間は含まれません。しかし、今回の改正においては、上限時間の中に休日の労働時間を含まれる場合と含めない場合とがあり、少しややこしくなります。

以下、同法第36条の各項ごとに説明します。

 
(新設)36条4項...限度時間  (※は1年単位の変形労働時間制)

期 間

上限時間

休日労働の時間

1カ月

45時間(※42時間)

含めない

1年

360時間(※320時間)

含めない

 

(新設) 36条5項...特別条項を設けた場Z

期 間

延長できる上限時間

休日労働の時間

1カ月

100時間未満

含まれる

1年

720時間未満

含めない

ただし、特別条項を発動する月数は最大でも6カ月以内

 

(新設)36条6項...更なる規制(特別条項がない事業場も適用)

期 間

時間外労働の最大時間

休日労働の時間

1カ月

100時間未満

含まれる

2カ月から6カ月のそれぞれの平均

80時間未満

含まれる

ただし、次の業務については、適用除外とされています。

①工作物の建設等の事業

②自動車の運転の業務

③新技術、新商品等の研究開発の業務

④その他厚生労働省労働基準局長が指定するもの




 

働き方関連法の施行日は、2019年4月1日です。ただし、中小企業には猶予期間を設ける等の特例措置があります。中小企業における施行スケジュールを一覧表にまとめました。

 2019年4月1日施行

  年次有給休暇の5日の使用者による時季指定

労働基準法第39条

  フレックスタイム制の見直し

労働基準法第32条の3

  高度プロフェッショナル制度

労働基準法第41条

  勤務間インターバル制度

労働時間等設定改善法

 2020年4月1日施行

  時間外労働の上限に限度設定

労働基準法第36条

 2021年4月1日施行

  不合理な待遇差を解消するための規定の整備

パートタイム労働法

労働契約法

労働者派遣法

  労働者に対する待遇に関する説明義務

パートタイム労働法

労働契約法

労働者派遣法

 2023年4月1日施行

  月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し

労働基準法第37条

 さて、中小企業においても、年次有給休暇の5日付与、フレックスタイム制、高度プロフェッショナル制度、勤務間インターバル制度は2019年4月1日に施行されます。その中で年次有給休暇は全ての事業場に関係する内容で、2019年4月1日以降の基準日から適用されます。従業員一人一人の年休の消化状況を確認し、取得が進んでいない場合には、改正後にむけた準備を進めることが求められます。

改正労働基準法第39条


使用者は、平成30年4月1日から、一定の要件を満たす労働者には年次有給休暇を5日消化させることを義務付けられました 

働き方改革関連法の一環として、(年次有給休暇)労働基準法第39条が改正されています。施行は平成31年4月1日で、中小企業への猶予措置はありません。使用者は労働者それぞれの年次有給休暇の取得状況を確認し、取得が少ない場合は法令を遵守するための取組が必要です。具体的な改正内容としては、第39条第6項の後に次の2項が追加されています。

(年次有給休暇)労働基準法第39条第7項 使用者は、年次有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が10日以上である労働者に係るものに限る。)の日数のうち5日については、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

 第8項 前項の規定にかかわらず、労働者の請求する時期に与えた場合又は労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合において労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、有給休暇を与える時季に関する定めをし、有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。


 

直近に行った厚生労働省への質問と回答は次のとおりでした 

今回の改正を具体的に運用するための詳細を定める省令等は、未だ定められていません。そこで、先日、弊事務所が行なった厚生労働省への質問とそれに対する回答を紹介します。

Q1.第7項の「有給休暇の日数が10日以上」とは、繰越分も含まれるのか?

週4日勤務のパート社員は、入社後6カ月で有給休暇(以下、単に「有休」と言います。)7日、その1年後に8日を付与されることとなる。仮に、6カ月以降1年までの有休取得が5日間以下であれば、有休の日数は繰越分を含めて10日以上となるが、その場合、使用者の5日間時季指定の義務は発生するのか?

A1.基準日に10日以上を付与する労働者が対象であり、繰越分は含まれない。

 

Q2.時季指定5日間について、指定方法等の定めはあるのか?

有休5日分について労働者個々人に対し、例えば○月×日、△月□日、といったように、具体的な日付を予め指定するのか?

A2.お尋ねのように、付与する日付を予め指定することはできる。ただし、結果的に次の基準日までの間に5日間を消化していれば良いのであって、その方法は定めない(同条第8項のとおり)。 

 

Q3. 有休付与の基準日が4月1日でない場合の取扱は?

施行は平成31年4月1日とされているが、有休付与の基準日は企業により異なっている。その場合の取扱はどうするのか?

A3.適用開始は、法が施行される平成31年4月1日以降の基準日 からとなる。例えば、10月1日を有休付与の基準日としている企業であれば、平成31年10月1日以降の1年間について、有休5日間の消化義務が発生する。

 

繰り返しますが、省令等は現在検討中ということですから、上記のQ&Aでフィックスというわけではありません。



平成29年9月(10月納付分)から厚生年金保険料率が上がります

厚生年金保険料率は、「被用者年金制度の一元化等を図るための厚年金保険等の一部を改正する法律」(平成24年8月10日成立)に基づき、料率を毎年0.354%ずつ引き上げ、29年度以降は18.3%で一定とするものとされています。この定めに則り、平成29年9月から一般の厚生年金保険料率は18.3%になります。変更後の料率が適用されるのは、10月に支払う給料から控除する保険料からです。

 

最低賃金が改訂されます 

大阪府(平成29年9月30日)を皮切りに、全国の最低賃金が改訂されます。今年度は、昨年度に続き最低賃金が時給で定められるようになった平成14年以降で最高額の引き上げとなりました。

首都圏については次のとおりです。

都道府県

最低賃金(引上げ額)

発効予定日

千葉県

868円 (26円)

平成29年10月1日

東京都

958円 (26円)

平成29年10月1日

埼玉県

871円 (26円)

平成29年10月1日

神奈川県

956円 (26円) 

平成29年10月1日

最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託等、雇用形態に関わりなく、原則として全ての労働者に適用されます。例外が認められるのは、使用者が個別に都道府県労働局長の許可を受けたときのみです。具体的には、試用期間中の者や障害等により著しく職務能力が劣ると認められるとき等で、それらの場合、最低賃金に一定の率を乗じた額を減額して支払うこととなります。

仮に、労働者の同意があったとしても、最低賃金以下の賃金で雇用することはできません。既に最低賃金以下の労働条件で雇用契約を締結していたときは、発効日以降、少なくとも最低賃金まで引き上げて支給しなければなりません。また、次の金額を最低賃金の計算に算入することは認められません。

(1)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

(2)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

(3)1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

(4)時間外、休日労働及び深夜労働の手当


有期契約労働者等の賃金を増額して、「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)」を活用できます

「キャリアアップ助成金の賃金規定等改定コース」は、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者など、いわゆる非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定して昇給させる場合に、事業主を助成する制度です。申請の事前手続は次のとおりです。

(1)キャリアアップ計画書を取組実施日までに労働局職業対策課に提出

(2)賃金規定等を改定又は作成

助成額は、事業場の全て又は一部の有期契約労働者等の賃金規定等を増額改定した場合、対象労働者の人数に応じて決定されます。中小企業で、全ての有期契約労働者等の賃金を増額改訂した場合は、次のとおりとなります。

労働者数

助成額

生産性の向上が

認められる場合

1人~3人

9万5千円

12万円

4人~6人

19万円

24万円

7人~10人

28万5千円

36万円

11人~100人

労働者1人当たり28,500円

同3万6千円

なお、「生産性の向上が認められる場合の額」とは、原則として助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性がその3年前に比べて6%以上伸びている場合の額です。生産性は、次のように算出します。ただし、例外的に6%未満でも認められる場合があります。詳しくは労働局にご確認ください。

生産性

営業利益+人件費+減価償却費+賃借料+租税公課

雇用保険被保険者数

 



業務改善助成金

Q.賃金を引き上げるときに利用できる助成金が拡充され、それまでは対象外のケースも可能になったと聞きましたが?

千葉県で食品小売業を営んでいます。最近は人手確保が難しく、アルバイト等がしていた仕事も正社員が処理せざるを得ない状況です。背に腹は代えられず、アルバイト等の賃金引上げを検討していたところ、そうしたとき利用できる助成金が拡充され、これまで対象外であった千葉県でも使えると聞きました。どういう助成金ですか?


 

A.「業務改善助成金」が拡充され、全国47都道府県で利用可能となりました


先ずお尋ねの助成金ですが、「業務改善助成金」(以下単に「助成金」と言います。)のことです。この助成金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図ることを目的としています。事業主が機械設備や情報システムの導入等、生産性向上のための設備投資を行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資に要した経費の一部を助成します。平成28年度第二次補正予算の成立に伴い、この助成金が拡充され、例えば、支給対象を事業場内最低賃金が800円未満の事業場から1,000円未満の事業場へと広がりました。設問にあるように、平成28年10月1日施行の千葉県の地域別最低賃金は842円(業種による特定最低賃金を除きます。) であったことから、拡充以前は千葉県では利用できませんでした。今回の拡充によって、同様に地域別最低賃金が800円を超えていた東京都など7都府県にも適用が拡大され、全国47都道府県で利用可能となりました。

 

《助成金の対象となる中小企業・小規模事業者》

業 種

資本金又は出資額

常時使用する労働者数

一般産業(下記を除く)

3億円以下の法人

300人以下

卸売業

1億円以下 〃

100人以下

サービス業

5千万円以下 〃

100人以下

小売業

5千万円以下 〃

50人以下

 

一方、それまで「事業場内最低賃金800円未満の労働者の賃金を60円以上引上げ」を支給要件としていたのに加え、30円以上又は40円以上、また、大幅引上げとして90円以上又は120円以上引上げ、と計5つのコースを設けました。さらに、このうち新たに設けた4コースについては、次の算式で算出する「生産性指標」が3年前のそれと比較して伸び率6%を超える場合、助成率を割増しします。

 

生産性指標

営業利益+減価償却費+人件費

+動産・不動産賃貸料+租税公課

雇用保険被保険者数

(注)それぞれの数値は決算書類に記載のものによる

 

《賃金引上げ額による5コースと助成率、助成上限額等》

事業場内最低

賃金引上げ額

助成率

助 成

上限額

助成対象事業場の事業場内最低賃金

30円以上

7/10又は3/4*1

あるいは4/5*2

50万円

750円未満

40円以上

70万円

800円未満

60円以上(既設)

1/2又は3/4*1

100万円

1,000円未満

90円以上

7/10又は3/4*1

あるいは4/5*2

150万円

800円以上

1,000円未満

120円以上

200万円

*1:常時使用する労働者数が30人以下で、*2かつ生産要件を満たした場合

 

拡充後の助成金は、過去にこの助成金の受給実績のある事業場も対象となります。また、設備投資とみなされる経費は、「人材育成・教育訓練費」「経営コンサルティング経費」等も対象です。ただし、パソコンや営業車両等、社会通念上当然に必要とされる経費は除きます。

利用を検討される場合は、「労働局雇用環境・均等室」にお問合せください。


 


 


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