時間外労働・休日労働に関する労使協定(3)

Q.36協定を締結する際、残業時間等に限度はありますか? 

弊社は、製造業を営んでいます。受注量が増えると納期に間に合わせるため、従業員にはどうしても残業させざるを得ません。また、週休2日のうちの1日を出勤させる場合もあります。

そこで、36協定を締結し労働基準監督署長に届出をしようと思いますが、残業させる時間や休日労働の日数に限度はありますか?

A.残業時間には限度があります

残業は臨時的なものであり、労働者の健康保持のためにも必要最小限とすべきです。このため一部の事業等(注1)を除き、残業時間の限度時間については厚生労働大臣による基準(時間外労働の限度に関する基準 平成10年労働省告示第154号)が定められています。

この基準の範囲内で次の(1)~(3)を締結し、様式第9号により労働基準監督署長に届け出る必要があります。

(1)1日のうちで残業させる限度時間

(2)1日を超えて3カ月以内の期間で残業させる限度時間

(3)1年で残業させる限度時間

(1)1日の限度時間は?

1日については限度時間が定められていません。

(2)1日を超えて3カ月以内の期間の限度時間は?

限度時間は次のようになります。

期間

1週間

2週間

4週間

1箇月

2箇月

3箇月

限度時間

15時間

27時間

43時間

45時間

81時間

120時間

(3)1年の限度時間は?

360時間です。

休日労働の制限は?

休日労働の日数や時間に制限はありません(自動車の運転の業務を除く)。また、ここでいう「休日」とは法定休日(毎週少なくとも1回、または4週間を通じ4日以上。労働基準法第35条)をいいます。

従って、会社が任意に定める所定休日である週休2日のうち1日の休日を確保していれば、休日労働についての届出は不要です。ただし、所定休日に労働させた場合、その時間は残業時間として(2)及び(3)の限度時間の制約を受けることとなります。

(注1):①工作物の建設等の事業 ②自動車の運転の業務 ③新技術、新商品等には限度時間が適用されません。

【お断り】今号では変形労働時間制の対象者についての説明及び限度時間を超えて働かせる場合の特別条項付協定の説明を除いています。