改正労働基準法第39条(その4)

有給5日にカウントできる日、できない日を確認しましょう

本年4月1日以降の基準日、つまり年次有給休暇(以下「有休」と言います。)の付与日から、年10日以上の有休を付与する従業員を対象として年5日の有休を取得させることが使用者に義務付けられました。今回の改正にあたって、厚生労働省等は「年次有給休暇の時季指定義務」「わかりやすい解説」等、様々な解説資料を示していますが、公表時期により若干の異同があります。そこで今回は、本年3月公表版の「改正労働基準法に関するQ&A(厚生労働省労働基準局)」において、有休5日にカウントできる日として新たに付け加えられた「リフレッシュ休暇」を取り上げます。また、カウントできない特別休暇との違いも併せて確認します。

さて、有休5日取得としてカウントできる日は次のとおりです。

(1)労働者自ら時季指定した日

(2)半日単位で取得した日(0.5日としてカウント)

(3)労使協定に基づき計画的に付与された日

(4)前年度の繰越し分を取得した日

(5)使用者が法定を上回る年次有給休暇を付与している日

(6)法定の年次有給休暇に加えて、取得理由や取得時季が自由で年次有給休暇と同じ賃金が支給される「リフレッシュ休暇」で、利用期間が1年とされている日(※今回追加)

それに対して、カウントできない日は次のとおりです。

(7)労使協定に基づき取得した時間単位の年次有給休暇

(8)法定の年次有給休暇とは別に設けられた特別休暇

リフレッシュ休暇と特別休暇の違いとは?

リフレッシュ休暇も特別休暇も、法令による義務付けのない、使用者の任意によって労働者に与えることができる休暇です。それではこの二つの違いは何か、解説資料の文言等からは下表のように考えられます。

 

特別休暇

リフレッシュ休暇

5日取得のカウント

できない

できる

利用目的

使用者の規定あり

自由

取得時季

使用者の規定あり

自由

つまり、その利用目的や取得時季が使用者の定める就業規則等により制約されている場合、有休5日取得として取り扱えません。例えば、就業規則において有給の病気休暇を定めている事例があります。その場合、利用目的は病気の療養に制約されることから、5日取得にはカウントできません。

それに対して、労働者が利用目的や取得時季を自らの意思で自由に決定できる「リフレッシュ休暇」は、法定の有休とその趣旨が同一であることから、カウントできます。

なお、就業規則等に定めている休暇の名称は、別に「リフレッシュ休暇」でなくとも構いません。あくまでも利用目的や取得時季について、使用者による制約がないことがポイントです。