令和3年4月1日の法令改正情報

短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき、令和3年4月1日以降、中小事業主にも有期労働者等と正社員との間で同一労働・同一賃金が求められます

パート及び有期雇用労働者と正社員との間で、職務の内容や当該職務内容及び配置の変更の範囲及びその他の事情を考慮して、待遇に不合理な差を設けることが、中小事業主に対しても禁止されています。

不合理か否かの判断はなかなか難しいのですが、旧労働契約法第20条に関する過去の判例を参考にすると、手当についてパート及び有期雇用労働者と正社員との間に差を設けた場合、不合理な差別と判断されるケースが多いようです。例えば正社員に支給する通勤手当や住宅手当を、パート及び有期雇用労働者には支給しない場合等です。一方、賞与や退職金については、事業主の経営判断上の裁量部分が大きいとされ、不支給でも直ちに不合理とはなりません。仮に待遇に格差を設けている場合は、その理由を具体的かつ明確に説明できるよう準備することが大切です。

高年齢者雇用安定法に基づき、令和3年4月1日以降、70歳までの雇用又は就業を確保することが努力義務となります

企業の規模に関わらず、全ての事業主の努力義務として、70歳までの雇用又は就業を確保する措置を設けることが求められます。具体的には、①定年の引上げ ②65歳以上70歳までの継続雇用制度導入 ③定年の定めの廃止 ④創業支援制度等 が挙げられ、それらの中では②を選択するケースが多いと予想されます。ただし、採用する者の基準は事業主が任意に定めることができます。希望したからといって、全員を継続雇用する必要はありません。