道路交通法の改正

令和8年4月1日から自転車の危険運転に対し罰則が科されます

警察庁の令和6年統計によれば、近年、交通事故件数の総数が減少傾向にある中で、自転車が関連する事故は年間7万件前後と横這いで推移している結果、総数に占める割合は23.2%と増加傾向です。とりわけ自転車と歩行者との事故が増加しており、同年の歩行者の死亡・重傷事故は244件でした。その8割以上は右左折する自転車と歩行者が出合い頭に衝突して、死亡や重傷に至ったというもので、発生箇所は歩道上が最も多くなっています。

警察は、自転車が関連する交通事故及び事故の被害者を減らすため、自転車運転に伴う交通違反の取締りを強化しています。これまでも指導警告や「告知票・免許証保管票(いわゆる赤切符)」による刑事事件手続等を行っていました。しかし、自転車が関連する事故状況が厳しさを増す中、刑事事件に当たらないまでも危険性の高い行為類型に対しては、指導警告以上の対応が行えるよう制度を整備すべきとの指摘がありました。

これらを背景として、令和6年5月に道路交通法が一部改正され、令和8年4月1日より施行されます。その中で、自動車運転に適用されている「交通反則告知書(いわゆる青切符)」制度(以下、単に「青切符」と言います。)が16歳以上の者の自転車運転にも適用されることとなりました。青切符は、道路交通法の罰則に規定する行為類型の一部のものを反則行為とし、警察官が当該反則行為と認めた場合に交付されます。原則として7日以内に所定の反則金が仮納付されれば、刑事事件としての処理は行われず、行為者に前科が付くことはありません。道路交通法に定める自転車運転において赤切符又は青切符の対象となる違反の内容又は反則行為及び罰則等について、主なものを整理すると次のとおりです。

◆赤切符の対象となるもの(抜粋)

違反の内容 罰則
酒酔い運転、麻薬等運転

妨害運転(著しい交通の危険)

5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転、過労運転等

妨害運転(交通の危険の恐れ)

3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
携帯電話使用等(交通の危険) 1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
救護義務違反 1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金

◆青切符の対象となるもの(抜粋)

反則行為 反則金
携帯電話使用等(保持(*通話又は画面の注視)) 12,000円
放置駐車違反 9,000円
遮断踏切立入 7,000円
超過速度:25㎞/h以上30㎞/h 12,000円
超過速度:20㎞/h以上25㎞/h 10,000円
超過速度:15㎞/h以上20㎞/h 7,000円
駐停車禁止場所かつ高齢運転者等専用場所への駐停車 9,000円
駐車禁止場所かつ高齢運転者等専用場所への駐停車 8,000円
駐停車禁止場所であって高齢運転者等専用場所以外への駐停車 7,000円
信号無視 6,000円
通行区分違反
追越し違反
横断歩行者等妨害等
歩行者用道路徐行違反 5,000円
幼児等通行妨害
車間距離不保持
無灯火
泥はね運転
急ブレーキ禁止違反
並進禁止違反 3,000円

なお、自転車の超過速度の基準は、当該道路における自動車の制限速度と同一とされています。

業務上や通勤上、従業員が自転車を使用する機会は少なくないと思います。改めて注意喚起することをお勧めする次第です。