国民年金支給額が引き下げられます
平成26年4月分(6月支払)から年金支給額が引き下げられます。
平成26年4月から年金の支給額が引き下げられます(4月・5月分の年金は6月に支払われます)。年金については、平成24年11月に成立した「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」というややこしい名前の法律によって、平成25年10月から平成27年4月までの間、3回に分けて段階的に給付の引き下げを行うことが決まっています。これは、平成12年度から14年度の期間、物価が下落したにも関わらず年金の支給額は下げない措置を取ったため、本来の年金額より2.5%高い水準(特例水準)で支給されていたことを解消するためです(詳細はこちら。)
平成26年度の年金額は「名目手取り賃金変動率」が0.3%となり、特例水準の段階的な解消(平成26年4月以降は▲1.0%)と合わせて0.7%の引き下げになります。
平成26年3月までの月額 | 平成26年4月からの月額 | |
国民年金
[老齢基礎年金(満額)] |
64,875円 | 64,400円
(▲475円) |
厚生年金
[夫婦の老齢基礎年金を含む標準的な年金額] |
228,591円 | 226,925円
(▲1,666円) |
特例水準解消の措置は残り1回
特例水準の解消のスケジュールは、次のとおりです。
1回目… 平成25年10月から ▲1.0%、
2回目… 平成26年 4月から ▲1.0%、
3回目… 平成27年 4月から ▲0.5%
今回の改正は2回目で、平成27年4月の引き下げを最後に調整が完了します。
平成28年度からは、従来の物価スライド率による調整に変わり、マクロ経済スライドにより年金額が改定されることになります。
マクロ経済スライドとは?
将来的に年金制度に導入される「マクロ経済スライド」は、日本の経済全体の動向を勘案して年金支給額を調整、決定するものです。
具体的には、物価や現役世代の賃金が上昇したときは、賃金(物価)の上昇率から少子化による労働力人口の減少や平均寿命の延び等を勘案した「スライド調整率(※)」を差し引いたうえで、年金の支給額を調整します。一方、物価や現役世代の賃金が下落したときは、スライド調整は行わず、その下落率分だけ年金の支給額を引き下げることになります。
物価や現役世代の賃金 | ↑ | 物価上昇率-スライド調整率 |
↓ | 物価下落率のみ |
(※)「スライド調整率」=「公的年金全体の被保険者の減少率+平均寿命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」