最低賃金の改訂とキャリアアップ助成金
最低賃金が改訂されます
平成28年10月1日から中旬にかけて全国の最低賃金が改訂されます。今年度は最低賃金が時給で定められるようになった平成14年以降で最高額の引き上げになりました。首都圏は次のとおりです。
都道府県 |
最低賃金(引上げ額) |
発効予定日 |
千葉県 |
842円 (25円) |
平成28年10月1日 |
東京都 |
932円 (25円) |
平成28年10月1日 |
埼玉県 |
845円 (25円) |
平成28年10月1日 |
神奈川県 |
930円 (25円) |
平成28年10月17日 |
最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託等、雇用形態に関わりなく、原則として全ての労働者に適用されます。例外が認められるのは、使用者が個別に都道府県労働局長の許可を受けたときです。具体的には、試用期間中の者や障害等により著しく職務能力が劣ると認められる場合等で、それらの場合、最低賃金に一定の率を乗じた額を減額して支払うこととなります。
仮に労働者側の同意があったとしても、最低賃金以下の賃金で雇用することはできません。
また、既に最低賃金以下の労働条件で雇用契約を締結していた場合、発効日以降は少なくとも最低賃金まで引き上げて支給しなければなりません。
なお、次の金額は最低賃金に参入されません。
(1)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
(2)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(3)1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
(4)時間外、休日労働及び深夜労働の手当
最低賃金の改訂に応じて賃金を増額するため、「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定(処遇改善コース)」を活用できます
「キャリアアップ助成金の賃金規定等改定(処遇改善コース)」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定して昇給させる場合、事業主を助成する制度です。申請の事前手続は、次のとおりです。
(1)キャリアアップ計画書を取組実施日までに労働局キャリアアップ助成金職業対策課に提出
(2)賃金規定等を改定又は作成
助成額は、事業場の全ての非正規雇用労働者の賃金規定等を増額改定した場合、対象労働者の人数に応じて助成額が決まります。
・1人~3人:10万円(7.5万円) ※()は中小企業以外の額
・4人~6人:20万円(15万円)
・7人~10人:30万円(20万円)
・11人~100人:1人当たり3万円(2万円)
現在、最低賃金相当額を支給している事業場は、今回の改訂に伴い賃金を増額しなければなりません。千葉県では平成28年10月1日から最低賃金が25円アップしますが、これは改訂前に比べ3.06%の上昇にあたります。したがって、発効予定日前、具体的には9月30日までに上記の事前手続をして申請を行えば、キャリアアップ助成金を活用することができます。